私の一冊<第10回> 菅原 由紀枝

<お薦めの一冊、思い出の一冊>
食と日本人の知恵
著者/青柳 幸利

<紹介者>
特別養護老人ホーム高寿園 給食サービス部長 管理栄養士 菅原 由紀枝

<コメント>
世界でも稀な伝統文化が継続されている日本は食材も豊富です。細部にわたる工夫と技術、食を囲む文化の成熟度などからも、少し前までの日本人の食事の素晴らしさを確認させられます。
食品の加工技術の進化も含めて、工業製品外の「手作りの発酵食品」の理にかなった五味五性の不思議、先人たちの知恵に今、あやかれる幸せを、改めて感じることができます。
梅干し、骨、豆、塩辛・・このひと手間を惜しまない技術が、継承されてほしいですし、自分も含めて担い手にならないといけないような、責任も感じます。
また、生活の激変によって、嗜好も組み合わせも変わります。食品衛生法も変わります。
執筆されてから、15年経過していますが、古き良きものが、どれだけ生き残っているのか、危機も感じます。
昔ながらの味にも、ニーズがありますように、と願います。食べ物の蘊蓄が、たくさん登場しますので、勉強になります。



食と日本人の知恵 (岩波現代文庫―社会)

蔵書:無